イギリスの今
イギリス型変異種
という言葉に異常に敏感になってしまう今日この頃ですがイギリスの感染者数、死者数どれを見ても本当に人ごととは思えず、いつになったらあの素晴らしい伝統と格式ある威厳を持ったイギリスに再び戻るのだろうか・・・と思ってしまいます。
早く元に戻って行きたい。ひとまずイギリスの友人たちは元気そうにしているのでちょっと安心です。
私がバーミンガムでHistory of Art with Musicに専攻を変え、ある程度プレゼン力持つきそれなりの成績を取っていたので、大学院進学を考え始めたのが大学2年生の夏頃(イギリスの大学は3年制)。大学院に行くのは卒論と面接と大学卒業時の学位のクラシフィケーション(1科目3時間のテストをお読みください)が大切。
3年生になったときに自分の専門と論文のテーマの方向性を考え始めました。
2年生の時は18世期フランス絵画を専攻し、クラスメイトと先生とドイツ鑑賞旅行も授業に一貫として行きました。
この経験は本当にイギリスに留学して良かったと思えたこと。
美術館にみんなに何時間も缶詰になり、1つの絵の前に座ってひたすら議論。
絵の前に座って授業してても何も言わない美術館のスタッフ、その環境作りを率先して作ってくれる美術館に本当に感謝。
日本でこれできますか!?
「線の上を踏まないでくださーい」「立ち止まらないでくださーい」
借りてきている絵を前にしたらそうなるのも当然でしょう。
とにかく本物の大きな絵を目の前にしたら時間なんていくらあっても足りない。
この経験を踏まえて、3年生になったときに卒論のテーマで絵画を1点選ぶ場合
「自分が頻繁にアクセスできる絵画を選ぶこと」が条件でした。
本当に当たり前の話だなと思います。
色々考えた結果、3年生の必修科目「ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂」
に対して私が卒論で選んだ絵画はテートモダンにあるジャクソン・ポロックの
「Summertime:Number9A」でした。
その理由は・・・
2021年やっぱりオンラインは無理
だいぶ間が空いてしまいましたが・・・
2021年、新年明けたもののいまだにコロナの感染状況は改善せず、今年もワークショップを開催するのは難しそうだなと感じています。
オンライン、リモートという言葉が当たり前になりましたが一方的に教える今までの日本の教育環境なら大勢の生徒相手に教えることが可能かもしれませんが、ディスカッションとかましてや私がやっているようなアート教育の場合、子供たちの手元が見たかったりちょっとした工夫を子供たちの手を取り一緒にやりたいわけで、弊社ではなかなかオンラインレッスンなるものは進んでいません。
アメリカのチルドレンミュージアムのサイトに行くと、「オンラインキャンプ」「オンラインパーティー」もやっていてどれだけ人が集まるのだろうと謎。。。
アート教育というか幼児教育は積極的な参加があって成り立つので、コンピューターをつけっぱなして画面の向こうで行われていることを受動的に見る、というのはやはり違和感。
とネガティブなことばかり言っていてもしょうがないので今年の春休み、夏休みは人数制限して鑑賞教育(美術館は難しいと思うのでグーグルアーツに頼ろうかと思います)と
・ビジネス
にも目を向けて小学生や年長さん向けには講座を作る予定です。
こんな時だからこそ健康でいるための食育と
・香り
にも目をつけたいなと思います。
まだまだやれることはあるはず!
ということで今年もよろしくお願いいたします。
私のために?
バーミンガム大学2年生になると、今まで美術史と音楽を50%ずつ専攻していたのですが、美術史がどんどん面白くなって、ふとHistory of Art with Music の学位になったらいいのになぁと思いました。
With になると美術史の授業70%、音楽30%ほどになります。
バーミンガム大学では今までそのような学位を取った人はいないのでもちろん入学前にそのようなコースはありませんでした。
担任の先生に、
「今から学位変えられますか?」と聞くと、
「大学に相談してみるよ」と。
数日後、
「OKだよー」
あらま、意外にあっけなくYES。
そして私のために新コースを作っていただき感謝。
柔軟性に感嘆しました。
ということで2年生になると美術史の比重を増やし、主な選択科目は18世紀フランス絵画。
例えばこんな絵画。
画家たちは言葉でなく絵で史実を語る。
ここが美術史のおもしろいところです。
当時の文献を読みまくって意図をどんどん解いていくのです。
宗教
政治
思想
こんなものが背景につまっているのです。
だからこそ絵画鑑賞というのは絵を見ることはもちろん、
何が見えて、
それはどういう意味なのか、
どうしてそう思うのか、
をクラスメイトと意見をぶつけ合うのです。
とにかく先生はどんなことを言っても否定せずにそこから導いてくれるレベルの高さを感じました。
この絵画鑑賞は幼少期に行うのもとても大事ですが、
海外では最近企業内研修でも行われています。
今までの見方と違った角度で見てみる=顧客のニーズや既存のやり方に新しい風を吹かせる
ことにつながるようです。
右脳をどんどん使いましょう!
宝探しの週末
先日、イギリス大学生活の休みに合わせて母が日本から来てくれたと書きましたが、
母の趣味はアンティークのティーカップ集めでした。(今は海外にほとんど行かないので集めなくなりましたが・・・)
イギリスに来ては少しづつペアで買って日本の家でコレクション。
これはあくまでのコレクションの一部です。
ほんとに地震が怖い・・・・
イギリス・ロンドンでもっとも有名なマーケットは
ポートベローマーケット。映画ノッティングヒルの恋人にも出てきます。
ここは洋服、食器、本、時計などなどの骨董品から食材もあって、マーケットをやっている土曜日に行くと結構混んでます。
でも掘り出し物のアクセサリーとか写真たてとかあって私も大好きです。
あと、母とよく行ったのは
コベントガーデン・マーケット
カムデンパッセージ・マーケット
バーモンジースクエア・マーケット
よーくさがすとお宝が安く買えますよ!
最近ではファッション(古着)やアートのマーケットもあって
東ロンドンのフリー・マーケットとかも若者には人気の様子。
あとはコロンビアロード・マーケットというお花のマーケットも行くだけでハッピーになれたので好きでした。
バーミンガムに住んでいたのでイギリス北部で食器作りがさかんなストーク・オン・トレントに電車で行き、ウェッジウッドの工場見学もしました。
他にもミントンもあります。
観光だとイギリス北部ってなかなか行かないと思いますが、サッカーファンには馴染みのなるマンチェスターやリバプールなどがあります。
冷凍食品パラダイス
バーミンガム大学1年生最後の学年末テストを終えると、欧米ならではの長い夏休み。
しかも新学期前なので宿題もなし。
最高のパラダイス。
寮も追い出され、新しい家も9月からなので日本に帰るしかない。
というか、日本の実家でぬくぬくと過ごせるパラダイス。
私はこうして長い休み(夏休み、クリスマス休み)には基本的に日本に帰っていました。
それと同じくらいイギリス好きな母親は年に1回私の休みに合わせて日本から遊びにきてくれました。日本のレトルト食品を持って・・・
実は、私は日本食がなくても生きていけるくらい食にうとかったのですが、でも簡単なお味噌汁とかパスタソースがあると勉強で忙しい時はとっても便利。
イギリスだと主に冷凍食品に頼るか、週末にカレーやミートソースを大量に作って冷凍してました。(毎日カレーでも特に飽きない自分に感心)
スーパーもいろいろあって、
Sainsbury
Marks&Spencer
これが主流でだいぶお世話になってました。Marks&Spencerは少しランクが上でちょっと高級感があり、たまに学生ならではの贅沢品のチョコレートやオーガニックジュース、冷凍食品のShepherd's Pieを買うのが楽しみでしたね。香港にもMarks&Spencersはあるのでおなじみの方もいるかもしれません。
1科目3時間のテスト
大学1年目を終えるためにはテスト期間を克服しなくてはなりません。
授業によってはテストなしでエッセーだけで成績がつくものもありますが、1年生はテストがほとんど。
私の場合音楽の学科で実技以外、5つくらい授業をとっていてそのうち2つがテストだったかな?
美術史の方も同じくらい・・・ちょっと記憶があいまいですが。
とにかくテストは1教科3時間。3時間かけて記述形式でひたすら問題に答えるもの。
問題は1教科3問くらいだったので慰問あたり1時間かけて答えをひたすらペン(鉛筆禁止)で書き続けるものでした。
持ち込みもちろん不可だったのですべての固有名詞など頭に叩き込んでの挑戦。
それはそれはテスト前にひたすら勉強するのはご想像の通りです。
しかもカンニングなど一切できないように、大部屋には経済学部や全く関係ない学部の生徒がごちゃまぜでテストを受けるので、隣の席は知らない人。
ものすごく徹底していると思います。
イギリスの大学の成績の付け方
FIrst Class
Second Class First Division
Second Class Seocnd Division
Third Class
Fail (落第)
と階級社会のように分類されます。
First ClassはAに該当するのですがこれをとれれば一目置かれるくらいの成績。
みんなが目指すのはSecond Classです。大学院に行くにはSecond Class FIrst Divisionは必須です。
テスト前には図書館が24時間オープンし、席がなくなるので早朝にみんな図書館に行き1日中そこで勉強している人ばかりでした。
美術史・音楽は幸いにも生徒が少ない上に単独の図書館があったのでそこまで席をかけた競争は激しくありませんでしたが、朝から晩まで住み込みで勉強して無事にテストはオールクリア!!
一方、テストも大事ですが、2年生になると寮を出ていかなくてはいけないので、友達と家探しもしなくてはいけません。
3〜5名でグループを見つけて、学校の近く(徒歩5〜15分)にずら〜と並ぶ家の看板に記された不動産屋に電話して家賃・光熱費など自分たちにあったものを探して契約します。
この長屋みたいなのにはほとんどバーミンガム大学の生徒が住んでいます。車も路駐。
To let と書いてある不動産に電話して見学→気に入れば契約
こうしたことも小さなことですが、いろいろと学びます。
家のシャワーが出なくなった時、家賃滞納した時、などなど
日々社会勉強です。
車がない上に、親が車で引越しを助けてくれるわけでもない留学生は優しいイギリス人の友達か車も持っている留学生に手伝ってもらうか、引越し業者に頼むか、そこも交渉事。
図書館の住人に
イギリス留学生活、思ったよりも過酷でしたね。
日本人で学位目的でバーミンガム大学に同年で入学したのは7人ほど。(1年の交換留学は何人もいました)
バーミンガム大学は奨学金制度がいくつかあり、その中にInternational Student奨学金があり、その年によって違う国出身の学生1人に授業料ディスカウントを行うものがありました。
入る前は知らなかったし、まさか私が入学する年は日本が対象国だなんてまるでしらず、ラッキーなことに大学が勝手に私をピックアップしてくれたおおかげで大学生活毎年授業料ディスカウントをしてもらいました!
探すといろいろ奨学金もあるようです。
1年目は寮に入り、歩いて10分でキャンパスへ。
とは言っても学部ごとにビルが違うのですが、私がほぼ住み着いていたアートビルディング、The Barber Institute of Fine Arts
は美術館とコンサートホール、それに関連する図書館があるので美術史と音楽を専攻している私がほぼ3年間毎日のように朝から晩までいた場所です。
とにかく上に上がれば生の絵を見られるのが利点。
日本の大学生活も2年ほど経験しましたが、全然違ったのは休み時間がない。
昼休みもない。授業が続くとサンドイッチ食べ歩きながら部屋を移動したり、ビルを移動し、スニッカーズがカバンにいつも入っていた私。
そして美術史も音楽も人数が少ないので1クラス多くて30人、少なくて10人ほど。
バーミンガム大学の厳しいところは授業の欠席数20〜30%いくと退学。
実際に2人退学になってました。
もちろん日本でよく聞く代返とかありえない。
クラス内で発言しないとかもありえない。
事前に読んでおくべき書籍、論文を読んでこないとかもありえない。
(大学に入学するまえに課題図書がありました。そして入ってすぐにテストもありました)
1年生からばんばんプレゼンあり、手強い同級生に鋭い質問されてあたふた・・
とにかく心臓は強くなります!
もちろん勉強だけでなく、キャンパスにはパブがあったり、サークル活動があったりで、私もダンスサークルとコーラスに所属していたので息抜きもばっちり。年に1回はボール(床につくくらいのドレス、男の子はタキシード着用パーティー)もあったりまさにドラマにでてくるキャンパスライフ。
まぁ、フルに活動していると1日の睡眠時間は3〜4時間。
これが1年目の生活スタイルでした。